2年目看護師の看護覚え書き。

せっかくなら看護を楽しみたいから。脳神経外科病棟2年目看護師による勉強ぶろぐ。

体温上昇時の対処とそのアセスメント方法

 

本日の目次

1.どうして高体温になるの

2.体温上昇時のアセスメント

3.体温上昇時の対応

 

 

1.どうして高体温になるの

人間の平均体温は、36.5度前後が最も多く1度以内の日内変動があります。

午前2~6時頃が最低となり、午後3時頃に最高となるんだとか。

温度に関係なくこの平熱よりも上昇している状態を「高体温」

細菌やウイルス、アレルギーなどの炎症反応により体温が1度以上上昇すること(一般的には37.5℃以上)となることを「発熱」といいます。

 

高体温と発熱との関係をまとめると以下の通りです。順番にその要因を解説していきます。

 

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(1)発熱

発熱とは、細菌やウイルスによる感染症やがん、アレルギーなどで体温のセットポイントが1度上昇することです。体温を上昇させて抗体産生を活性化すると発熱が起こります。イメージをするならば体の免疫機能を高めるためにエンジン燃やすぜ、といった感じ。発熱については後々詳しく触れていきます。発熱と高体温のちがい、私はここから知らなかった。

 

(2)うつ熱

うつ熱とは熱が体内にこもっている状態です。代表的なのは熱中症ですね、

熱産生が放散を上回っている状態です。真夏に羽毛布団をかぶっていたら熱が逃げるよりもこもるほうが大きくなり高体温になりそうですよね。

ちなみに私の働いている脳神経外科疾患を抱えている患者さんはよくうつ熱が起こっています。普通の人は体を動かして熱を逃がすことができますがずっとベッド上で臥床してさらに意識障害があって全く動かさないと熱が逃げずにこもりやすいです。たまに38℃近い熱がこもっていることもあります。「わ~汗 ごめんなさ~い」と思いながら体交をしたり、着るものやかけものを調整するといつのまにか熱が放散されて平熱に戻っています。

 

(3)ストレス、その他

ストレスや脱水、脳神経外科疾患などの要因で発熱が起こることもあります

 

2.高体温時のアセスメントのポイント

まずは①何が原因で高体温になっているのか、②これから体温は上昇していきそうなのか、それとも上がりきっているのかをアセスメントしましょう。

①については、上記の高体温の原因と患者の状態を見ながら判断していきましょう。

発熱なのかうつ熱なのか、はたまたそれ以外の原因なのか、、術後であったり、悪性腫瘍がないか、鼻水や咳などの感染兆候はないかをみていきます。

 

そして②について、発熱である場合、体温が上がりきっているのかこれからも上がりそうなのかというポイント。寒気がないかや四肢冷感やシバリング(熱上昇するために骨格筋を収縮するためにおこる振戦)がないか確認してこれから上がりそうなのか、ピークを迎えているのかもアセスメントをしましょう。

 

3.発熱時の対処法

発熱時には上記のアセスメントを行った後、以下のような対処を行いましょう

①発熱そのものへの対処

熱源を推定して必要であれば医師に報告し、抗菌剤の投与など

原因への対処を行う必要があります

 

②発熱に伴う脱水への対処

不感蒸泄量は体温が1℃上昇すると15%増加するといわれています。

通常の不感蒸泄量は平均して900mlであるため、

37.5(1℃上昇)により15%増加すると1035mlとなり150mlの上昇

38.5(2℃上昇)により15%増加すると1190mlとなり300mlの上昇

となります。思ったより身体から水分が出ていくんだなという感想。

尿量もみて必要であれば補液も必要かもしれません。

 

③発熱に伴う不快感への対処

最近の研究では3点クーリングや氷枕による解熱効果には賛否両論ありますが、

クーリングを行うことで安眠や倦怠感が軽減されるのであれば使用してみてもいいと思います。ただし、冷たいのは嫌なのよね、という患者さんもいるので相談しながら使ったほうがいいかも。また体温が上がりきらずに悪寒がする状態でクーリングを使用すると不快感につながるのでしっかりアセスメントすることが重要。

 

2年目看護師の考える体温上昇とその対処法はこんな感じです。

1年目では発熱がある→何も考えずに速攻でクーリングをして指導されたことがあります。ここまでアセスメントできなかったけど調べて納得。

自分でもとても勉強になりました(^▽^)/